食べることが未来の社会を変えていく③食べものを捨てることが与える影響

未来に向けて食べ続けていくために、私たちにできることは何か、一昨日のブログに書きました。
私たち一人一人ができることの一つ、「
食べものを捨てる量を減らすこと」について考える前に、食べものはどのくらい捨てられているのかを見てみたいと思います。そして、その行動がどんなことに影響するのかも考えていきたいと思います。

食べものを捨てることは、実は目の前に見えている「もの」を捨てる以上に多くの無駄につながってしまいます。

FAO(国連食糧農業機関)によれば、世界で生産される食べものの約1/3が捨てられていて、その量を持ってすれば20億人が食べていけるといいます。その数字には改めて溜息が出ます。

金額にして74兆円。ちなみに2016年度の日本の税収総額が58兆円弱。どれだけ多くの食べものが無駄にされているかがわかります。

3番めの数字33億トンというのは、廃棄された食べものを埋めたり焼却するなどして「処分」する際に発生する温室効果ガスの排出量です。(FAOの2013年のレポートによる)。

 14億haという土地は、その捨てられた食べものを作るために使われたと考えられる土地の広さです。(Elizabeth Royteによる試算)

ちなみに、私が住んでいる横浜市によれば、


横浜市の家庭から出される燃やすごみの中には、

年間約8万7,000トンの食品ロス

が含まれており、これは

市民一人当たり年間約23キロ

になる量です。

 

食品ロス23キロはおにぎりに換算すると約230個分

3日で2個のおにぎりを捨てているわけです。

さらに、食品ロス23キロをお金に換算してみると

一人当たり年間約1万7,000円分

もの食料が捨てられている計算になるそうです。

イギリス人のジャーナリストであり、廃棄される運命にあった食材を救うこと、自らそうした食材を食べることを続けているトリストラム・スチュアート氏の著書「食料ムダ捨て事情」によれば、イギリスで廃棄されているトマトを生産した土地で小麦を育てることができていたとしたら、1億500万人をまかなえたはずだといいます。
トマトだけで、です。

食べられるはずの食べものを食べずに捨てるということは、ただ目の前の食べものを捨てるというだけにとどまらず、上のような機会損失や環境への負荷を生んでいると、私たちは認識しなければいけないと思うのです。
食べものを作るための、また捨てられたものを処分するための人間の労力も無駄だったということになります。

先に挙げた「世界の食料ムダ捨て事情」によれば、以下のような信じられないようなムダを私たちは許してきてしまったことになるのです。