食べることが未来の社会を変えていく②食べ続けていくために必要になりそうなこと、もう一つ

昨日のブログをfacebookで公開したら、食品ロス問題の専門家の井出留美さんからコメントをいただきました。
「昆虫食という選択肢もあるかもしれませんね」


確かに、それを加えるべきでした!
というわけで、

5 今まで食用としていなかった食材を食べる

を付け加えたいと思います。これもまた、
人の口に入る食べものを増やすことにつながります。

海藻や昆虫という可能性

日本人はずっと食べてきていますが、今まで見向きもしなかった国が、海藻食に興味を示してきているのもそうした動きの一つです。

 

2015年にミラノで開催された万博では、オランダ館が海藻についての展示をし、海藻バーガーを販売していました(このことについても日経BP社のエコマム連載に2015年に書いています)。

そして、昆虫食といえば、昨年12月に本当においしい昆虫料理をいただいたばかり。

カリっとした外皮と白子を思わせるトロンとした中身、鼻に抜ける温泉卵のような香り。おかわりしたい!と思うほどの昆虫食は初めてでした。真の意味での可能性を感じ、今年初めの「エコマム」の連載でも書きました。

 

ところで、昆虫食は 国連食糧農業機関( FAO)も推奨しています。2013年に出された昆虫食報告書(Edible insects Future prospects for food and feed security」によると、世界では20億人が昆虫を食用にし、1900種以上の食用昆虫が確認されているといいます。

栄養豊富、効率的に生産できる食用昆虫

たんぱく質やミネラル類も豊富である上に、少い飼料で育てることができ、育てるための水や土地も一般の肉類に比べて少なくて済むとのこと。

 

たとえば、コオロギは体重1キロに対し餌は約2キロ必要とされるそうですが、豚は5キロ、牛は10キロ程度必要と考えると、相当効率的に食物生産ができると言えそうです。

 

 

問題は「慣れ」にあります。見た目で拒否反応を示す人はやはり少なくはありません。

 

粉にして他の食材に混ぜる、あるいは直接に人の口に入れず、家畜や魚のエサとして活用するというのであれば今からでも大いに活用できそうです。人口増、特に中流層の増加によって世界的に動物性タンパク源の需要が増えていることもあり、飼料としての昆虫の養殖は今後10年で広まるとFAOは予測しています。

最近あまりに美味しい昆虫食に出会ってしまったために、このページ、思わず力が入ってしまいました(笑)。

昨日のブログの流れに立ち戻ると、私たちが、たとえば昆虫を食べる、あるいは昆虫を餌として育てられた肉や魚を食べることは、人の口に入る食料を増やすことにつながります。

 

予約が取れなくて有名なデンマークのNOMA他、昆虫料理をスペシャリテとして提供しているレストランもあります。見方を変えればシャコやエビと変わらないと思えば、さて、昆虫食、試してみる気になっていただけたでしょうか?