農文協が編集し、2017年12月に出したブックレット「種子法廃止でどうなる?」を読みました。
2017年4月、国会で、稲、麦、大豆の優良種子の生産と普及を都道府県に義務付ける種子法(正式名称「主要農作物種子法」)の廃止が決まったことを受けて編まれたもの。
10名以上の方々からの文章が寄せられており、それぞれの言葉で語られていることから、とても読みやすい構成になっています。
わかりやすい一方で、結論を急ぎすぎな部分も
実際の所、種子はどのように生産されてきたのか、農家が交配するというのは具体的にどういうことなのかなどが、わかりやすく、それがどれほど大変な事かもよくわかります。法律の根拠なしに(国からの予算なしに)こうしたことがこれからも続けていけるのか、一部地方では国がやらないならと法律を作るところも出てきているとは聞いています。
そうしたわかりやすさの一方で、一部には、伝聞的なものを根拠に結論を急ぎすぎている表現もいくつか見受けられるのは気になるところ。種子法廃止は悪という前提から書かれているように感じられる部分もありました。
種子法とは何か、種子法廃止によってどんな懸念があるのかを概観するにはお勧めの本。
ただ、鵜呑みにするのではなく、批判的な読み方もしつつ、他の書籍や論調のものにも当たってみることが必要とも感じました。