化学肥料は国策によって広まった!?

友人の勧めで手にとった「野菜が壊れる」(集英社新書)。

化学肥料は実は鉄鋼業界、自動車業界の産業廃棄物から作られ、国のテコ入れのもと、戦後の日本経済の発展に大きく寄与したという「事実」に驚く。

野菜に含まれる栄養素が年々減っていることをグラフで表示。

化学肥料の使いすぎによって土壌が異変し、世界の人口増による食料不足よりも前に、土がその生産性を失ってしまうことによって作物を作ることができなくなってしまう恐れがあると警鐘を鳴らす。

 

何年か前に某大手スーパーが国産野菜を売るために、輸入野菜との栄養成分比較を掲示しようと企画して調べてみたところ、むしろ国産野菜の成分含有量の方が軒並み低くて企画を諦めたという話を耳にしたことがある。

なぜそうなってしまったのかの土の下の仕組みがきちんと書かれていて興味深い。
なるほど、著者は農業研修生として若くしてアメリカに派遣されたこともあり、クボタで働いた経験も持つ農業研究者だからこそ、ただ「栄養成分含有量が低い」で終わらないわけだ。

 

私たちが食べものを買う時、どんな基準で選ぶのか。

持続可能な食の未来はその一人一人の意識と行動の積み重ねで決まる。

まずは、食やその周りのことについて知り、考えることを始めたい。