個人の行動を促す食育システム@慶應大学院SDM

7月4日(土)、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネージメント研究科(SDM)にて、「生活者の視点から持続可能な食の未来を考えてみる」というタイトルでお話させていただいた。非常勤講師という肩書きを頂戴し、2009年からこうした機会をいただいている。

SDMは、スタンフォード大学、オランダのデルフト工科大学などの海外の大学との共同研究も盛んで、2/3ほどが社会人学生。さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが在籍し、研究を続けている。

デザイン思考で社会の課題を解決するシステムを作っていく演習も多く行われており、私は食の分野での現状や課題をお話し、それを題材に学生さんたちがシステムデザインのためのワークショップを行う。ワークショップは、保井俊之特別招聘教授が進行する。

ありがたいことに、今年から内部のシステムが変わったとのことで、講義を終えた後、課題を出して回答を提出してもらい、採点もさせていただけることになった。回答を提出してもらえるということは、食に関係ない研究をしている人たちにも食について考える機会を持っていただけるということだ。


その答案が今朝届いた。

保井特別招聘教授と
保井特別招聘教授と

未来にむけて食べ続けていかなくてはいけない。
そのためには、目の前にある食事がおいしいとか栄養バランスがいいというだけの食育では片手落ちだ。

食と社会の繋がりを考えていくことが必要。

でも一方で、あまりに大きなところから考えていくと、「どうせ自分が何か考えたところで変わらない」と思考停止になりがち。

そのために課題には「持続可能な食の未来に向けて消費者の行動を促すという広い意味での食育システムのデザイン」をお願いした。

「こうあるべき!」といっても事態は簡単には変わらない。
一人一人が、日常の暮らしの延長でちょっとだけ行動を変えようと思えるしくみを作ることができれば、一見大きすぎると思える課題解決への糸口も見えてくるかもしれない。

30名の答案をこれから拝読。
ワクワクしている。

ワークショップに取り組んでくれている学生さんたち
ワークショップに取り組んでくれている学生さんたち