自分の深いところから出る言葉を探る エピソードノート

あなたは『言葉』でできている」(ひきたよしあき)を読む。

ビジネスコミュニケーションが劇的にアップする"自己表現”のヒントと副題にあるが、ビジネスの場だけではなく応用できそうだ。

実際、教育関係の仕事をしている友人によれば、著者を講師にまねいてこの手法を小学生にとりいれたところ、とても深い言葉、借り物ではない言葉で作文を綴ってくれたという。

エピソードノートで自分の過去と、その年の出来事とを綴る

まずは日本語の特徴に簡単に触れている。

 

たとえば、互いの心を揃えてから本文に入るために、日本人は時候の挨拶を使って相手と体感を同じくしているという説は新鮮だ。SNSに慣れ親しんだ若者の「小説の情景描写は全部飛ばして読む」という言葉に、著者は危機感を吐露してもいる。

メインとなるのは、エピソードノートを作ることと、それに基づいて自分を語る文章をまとめること。

自分が生まれてから今まで生きてきたことを1年ごとを見開きとしてノートにまとめることをすすめているのだ。
思い出したエピソードを、短文と3つのキーワードとともに左ページに書いていく。そして同じ年の社会での出来事を右ページに書いていく。

そこから、自分のキャラクターを紹介するにふさわしいと思えるエピソードを選びだし、それをもとに、自己紹介をまとめようと勧める。

エピソードノートを書きはじめてみた

実は早速無地のノートを買ってきて、エピソードノートをつけはじめている。
まずは、生まれた年から一年ごとに、西暦と自分の年齢を書いてみた。
50年を超すのだから、ちょっとした作業だ。
それだけでも、自分はこんなに生きてきたんだなと妙な感慨がわき起こった。

今、少しずつ書いている。
ペンを持ってノートに向かうと、不思議なことに、忘れていたいろいろな想い出が甦る。

焦らずに、まずはエピソードノートをつけること自体を愉しんでみようと思う。
そこから、どんな自分が浮かび上がってくるのか。
著者は、嫌な自分に蓋をせずに、そこをきっちり認めることが大事だという。