幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ

パリから戻り、読み始めた「幸福論」。
フランスの哲学者アランがリセの教壇に立つ傍ら、毎日新聞に連載したものをまとめたものという。第一次大戦前後に書かれている。


重複もある。ちょっと読みにくいところもある(翻訳によるのか?元の文章もちょっと読みにくいという話もきいたことはある。古書店で買い求めた白井健三郎訳、1993年)。だがしかし、今日も微笑んで一日を始めようと思える。心にひたひたと沁みる。

行動の人だった

20代で起きたドレフュス事件では、スパイ容疑をかけられたドレフュス(ドイツ系のアルザス出身&ユダヤ人だったからとされる)を弁護する論陣をはる。


46歳で(高齢だし教師だし兵役の義務はないのに)第一次大戦に自ら志願して第一線で従軍している。平和主義者として反戦論を唱えるためには、自分がその現場に行って戦争とは何かを見、知っておく必要があると考えたからだと言われている。


そんなアランが書いた「幸福論」だからこそ、心に響くのかもしれない。


「自分の自分に対する信頼を大事にしないのは、たいへんなまちがいである。失敗すると思えば失敗し、無力だと思えば何もできず、望みは叶わないと思えば叶わない。」


日経ビジネスの2012年の連載(村井章子訳)の方がおすすめ