子どもを持って働く、ということ

欧州連合議会のイタリア代表リディア・ロンツーリ議員は娘のヴィットリアちゃんを産まれた時から議会に同伴しているという。

そんな写真を見て思い出したことがある。

山形県朝日村に伺った時の雑誌記事
山形県朝日村に伺った時の雑誌記事

子どもを預けることができる親はいなかったので、少しずつ少しずつ仕事の量を増やしてきた

最近の私しか知らない人は、子どもをずっと預けて仕事を続けてきたと思っている方も多く、PTAの役員もサッカーチームのマネージャーもやっていたというと驚かれる。そもそも子どもの重度のアトピーで勤めを辞め、子どもたちと一緒にいながらできる仕事ってなんだろう?と考え続けた結果が、家での料理教室だった。

夜や週末に自由に出歩くようになったのは、ほんの数年前から。それまでは年に数度しか夜に外出することはなかった。

少しずつ少しずつ仕事の量を増やしてきた。

今はもう二人とも大きくなったので、好きに過ごさせてもらっているのだが(笑)。

10年以上前に子連れ出張を認めてくれた方々には、ほんとうに感謝!

子どもが幼い頃に、子連れ出張をさせてもらったことが何度かある。

当時認めてくれた方々には、ほんとうに心から感謝、だ。

 

まだ息子が幼稚園に入る前、山形に雑誌の取材で訪れた時のこと。

 

息子には、「ママはこのお仕事をちゃんとやりたいと思ってる。あなたを誰かに預けて来ることもできたけれど、ママはあなたと一緒に来たかったの。お仕事中は、ママがあなたを無視しているように見えるかもしれない。でもそれは違うからね。ホテルで二人になったらたくさん遊ぼうね」そんなことをあらかじめ話していた。

 

すると不思議なことに、打合せ中はスヤスヤ眠ってくれるし、昼にはたくさんおかわりして現地のおばちゃまたちを喜ばせるし(熊汁を3杯も食べた!)、カメラマンの男性とはとても仲良くなるし、夜の飲み会の際にはいつの間にか眠ってしまうし(なので、私もみなさんとゆっくりお話できた!笑)、とぐずられた経験は皆無。

「なんで子どもなんか連れてくるの?」という目がなかったことが大きかったと思う

今思うに、ご一緒した方々が「なんで子どもなんか連れてくるの?」という目をむけなかったことも実は大きかったのではないかと思う。自然なこととして受け止められていることが息子の気持ちを安定させたから、ぐずる必要もなかったということなのかと。

改めて、感謝。

 

プライベートをすべて排除してまでも猛烈仕事人である必要があるのか?

 

「子どもがいるんだから」「親の介護があるんだから」(あなたはそれを認めて当たり前でしょ?)という態度では受け入れられにくいと思う。

 

でも、それぞれが人間としてのあたりまえの営み、喜びや悩みを抱えている一個人だという認識を持って仕事でも繋がることができたら、「仕事上だけの繋がり」では産みだせるはずもない、なにか新しい価値を産み出せる可能性だってあるのではないか。

欧州連合議会の例をみてそんなことを思うのである。