アイロンがけ、好きになったきっかけは、、

若い頃、一番嫌いな家事は、アイロンがけだった。
フィリピンの友人から「下着までアイロンをかけるのが当たり前!」と聞いた時には驚愕したものだった。

アイロンがけを好きになったのは、ピーター・バラカン

でも実は、今はアイロンがけは好きな家事の一つとなっている。

きっかけは単純。

 

数年前にピーター・バラカンが「アイロンがけは好きな家事なんです」とラジオで話しているのをきいたこと。彼はその時、大好きな音楽をかけながらアイロンをかけるのが好き、と語っていたと記憶している。

彼が続いて話していたことは以下の私の過去の経験とつらなる。


単純に手を動かしているその間、私の頭の中の細々とした「やらねば!」はどこかに消え、私の思考はその場から解放され、自由にあちらこちらに飛び遊んだ。

忙しいからこそ、手のかかる料理をするメリット

忙しい日々が続くと、とにかくはやくご飯を作らなくてはと、料理が自分にとって義務になることも少なくなかった。忙しい日々の中、相当面倒な(総調理時間4時間)料理の撮影依頼をいただいた。まいったな〜と実は思った。

ところが、つきっきりで2時間野菜を炒めるというプロセスも含むこの調理にかけた時間が、「あの締め切りは明日の早朝よね、何時には**を終わらせなくちゃ」といったコマギレの仕事や家事に刻まれた日常から、私を解放してくれたのだ。

無駄ともいえる時間こそが、実は貴重なのかもしれない

料理をする時間なんて無駄だという人もいる。

お金さえ出せば、いろいろなものを食べることができるのだから、と。

それが料理でなければいけないわけではない。

刺繍でも、編み物でも、掃除でも、ダンスでも。そしてもちろん、アイロンがけでも!
普段の暮らしとは異なる時の流れに身を任せることができるなにかを持つこと。

少なくとも私には、そんな時間の流れを変えるスイッチが不可欠だと感じている。
日々の家事の中でのスイッチと、日常を忘れ去っての旅とが、私の心にとっての必需品

 

結局のところ、毎日の小さなことの積み重ねが、自分の人生。
派手な花火を打ち上げたいと思う時もあるけれど、やはりベースは一日一日をどう暮らすかなのだと思う。

ここのところ余裕がなかったのだけれど、明日はアイロンがけ、するつもり。