7月13日、慶応大学院SDMにて、食べることによって社会に働きかけることができる実例として、乾物ドライカレーパンプロジェクトについてお話させていただく機会を頂戴しました。
未来の食を考える時、「心配」「不安」「これはよくない」代表的なものとして、
- 砂漠化(耕作地の減少)
- 肥満と飢餓(食の分配システムの問題)
-
無駄にされている食料(食品ロスの問題)
をあげてみました。
食料の無駄の減少&砂漠化の防止に働きかけることを目指しています
乾物ドライカレーパンプロジェクトは、1と3を結びつけようとするものです。
- B品、C品として捨てられてしまうかもしれない食材を、乾物にすることで商品価値を生み、
- 伝統的な煮物などの食べ方以外に、カレーという食べ方の提案し消費を促し、
- カレーパンという皆が手にとりやすい商品を、いわば「メッセンジャー」として、私たちが(乾物ドライカレーパンを)食べることによって、私たちのカシミヤ好きもその一因として砂漠化が進む内モンゴルに杏の植樹をするプロジェクトに寄付し、食べるという日常行為の積み重ねが社会に働きかける力を持つことを見える化します
大きな課題に対して、たくさんの小さな糸口をみつけたい
学生さんたちによるワークショップへのお題は以下とさせていただきました。
「砂漠化の進行、肥満と飢餓の問題、食品ロスなどの問題の解消にむかう社会デザインを、『地域や団体など小さなコミュニティの中で、一人一人が日常においてほんの少し視点や行動を変えることで実現できること』という条件の中で、考えてみてください。」
ともすれば、私たちが「不安」と感じる課題は大きすぎて、どこから手をつけてよいかわからず、結局なんの行動にも至らないまま傍観しているうちに事態はさらに悪化という悪循環に陥りがち。
身近な地域やコミュニティで一人一人が、無理なく取り組めるしくみを作れば、積極的に参加してくれる人たちはきっとたくさんいるはず。
だから、そんな小さなしくみを誰もが考え、たくさん作っていけたら、その集積は、解決不能と思えた課題をも解決に大きく近づけることができると思うのです。
そう考えるようになった原点は、TABLE FOR TWOの小暮さんの著書「“想い”と“頭脳”で稼ぐ 社会起業・実戦ガイド 「20円」で世界をつなぐ仕事」に出会った衝撃でした。
食の仕事をし、おいしい楽しいという小さな幸せを、みんなが感じられる社会、ずっとそれが続いていくために何ができるだろうかと思っていた頃、2009年にこの本に出会い、「こんなシステムを考えつきたかった!」と興奮したのを今も憶えています。
はじめは奇想天外?と思えるようなブレストの後、ワークショップをやりなれている上に、さまざまな社会経験、バックグラウンドを持つ(社会人学生さんたちも多いのです)学生さんたち。ユニークで面白いアイディアが提案されたのはさすがでした。
あらためてこうした機会を与えていただいたことに感謝するとともに、これから、こんな「小さなしくみ」を考える仲間を増やすべく、活動していきたいと感じた一日でした。
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