参加してくれた人が「自分ごと」と感じてくれるように!

東海農政局さんからお声をかけていただき、ちょうど3年ぶりに名古屋の星ヶ丘にある中部電力さんの「デザインの間」で乾物と米粉の活用法についてのレクチャーをし、調理体験をしていただく講座を開催してきました。

モデルキッチンでもあり、とてもきれいな「デザインの間」
モデルキッチンでもあり、とてもきれいな「デザインの間」

「日本型食生活を実践しよう」って、実のところ何を目指しているのか?

実はこの講座「日本型食生活」をテーマにというご依頼でした、当初。で、実際そのタイトルがついての参加者募集となりました。

 

「日本型食生活」という名前で農水省的に実現したいことは(私見ですが)

  1. 個人の健康のためには、肉よりも魚と野菜中心の食生活を。また、脂質をとりすぎない方がよいので、そうした食生活を目指しましょう(→これってでも厚生労働省的?)。
  2. 食料自給率が低すぎることは食料安保的に問題。なので、もっと地元の産物を食べる地産地消を進めることで自給率アップにつなげましょう。

なのでは?と思うわけです。

「伝統食に戻れ」といくらいってもそれは無理というものでしょう

「伝統食に戻れ」と言っても強制力はありません。また、実際今までどれだけそれを言ってきても効果があったとはいえません。なら、他の方向からアプローチすればどうでしょう?と提案したいのです(ちなみに、私のふだんの食卓は相当に和食中心ではありますが)。

 

 伝統食、伝統料理についての講座を開催したいなら、私よりずっと適任の方々がいらっしゃいます。私は、あえてそうではなく、伝統的な食材を使って、今の食卓にあう、「作ってみたい」と思ってもらえるような料理を提案することで、上記の2つのことにアプローチしていきたい。それを広めることによって、「伝統食をもっと作って食べよう!」よりも効果的に上記の目標が達成できる可能性だってあると思うのです。

 

素材はできるだけ地元から、でも調理の技術や料理のアイディアは世界中からどんどんとりいれる、というスタンスで。

参加してくれた人たちが「自分ごと」と感じてくれるように!

まずは、私たちが何を食べるかが、私たちの健康だけではなく、未来の社会に影響を与えるということについてを乾物を例に、「今、なぜ乾物?」というタイトルでお話させていただきました。

その内容をコンパクトにまとめたのが、こちら。

そしてご紹介し、調理体験をしていただいたのが、

小豆とクリームチーズのディップ(豆を茹でるって意外と簡単なのね、と思っていただけるように小豆はその場で茹でました)

乾物ドライカレー(乾物ドライカレーパンプロジェクトのお話もしました。ほぼ包丁いらずで作れること、生ゴミが出ないこと、いかに簡単に作れるかを実感していただきたいと思ってメニューに加えました)

これらは、コメティーヤに巻いて召し上がっていただきました。
コメティーヤは、メキシコならトウモロコシの粉でトルティーヤ、テックスメックスで小麦粉でトルティーヤなら、お米の国に本では米粉で、ということで提案している米粉の主食としての食べ方。約2倍の豆乳に溶いてサラ〜っと流れるくらいの生地にして薄く焼きます。

 

切干し大根と胡瓜と貝割れのサラダは、米粉豆乳マヨネーズで和えて。卵なし、油ほんのちょっぴりで、ものの5分で作れる手作りマヨネーズを実演。

そしていろいろな乾物を鍋に入れたらひたひたの水を加えて沸騰させ、蓋をして弱火にして10分あまり。捨てる水もない乾物パスタにも挑戦していただきました。乾物を戻しながら煮るイメージ。乾物の旨味がパスタに染み込みます。

講師台にはモニターがつき、手元がみえるようになっています
講師台にはモニターがつき、手元がみえるようになっています

「乾物に対する印象がまったく違うものになりました!」

講座終了後、「おいしかったです」「作ってみます」といった声をかけていただくのはやはり嬉しいものですが、

「乾物ってこんなにいろいろ使えるんですね!」
「昨日までの乾物に対する印象がまったく違ったものになりました」

「これほどゴミがでない料理教室は初めてでした」
といった声をきくと、さらに嬉しい。

 

乾物の三大先入観「地味」「みんな同じ味」「面倒くさそう」

これを払拭すれば、もっと皆が気軽に乾物を手にとってくれるのではないかと思い、いかに地味でなく、同じ味でなく、面倒でない乾物の料理を考えるのかが私にとっての課題。

普段から乾物を使った食生活をしていれば「いざ」という時にも安心なモノとワザの備蓄をしていることになります。食の防災訓練にもなるのです。

新しい視点を提供したい

これからも、食べることが自分の健康だけではなく、未来の社会に綱がっているということを見える化すること、見えるだけではなく、共感して動いてみようと思ってくれる人を増やすことに力を入れていきたいと思います。

おまけ!の嬉しかったこと

今回アシスタントについてくれたSさん。見覚えがあるなと思ったら、「3年前の米粉の教室の時にもお手伝いさせていただいたんです」と声をかけてくれました。

 

栄養士の資格を持ち、ふだんは陸上選手の食事指導もしているプロ。この会場はこうしたプロの方々が脇を固めてくれるので、安心していられるのがありがたいのです。

 

先月の「料理通信」での記事も見ていてくれたとのこと。

 

そんなふうに声をかけられると、一つ一つ、きっちりしっかりお伝えすることができるようにと、改めて身がひきしまります。

 

またもしかしたらいつかSさんとご一緒することができる機会もあるやもしれず。その時、今よりずっと探求を深め、発信できる自分でありたいなと思いながら帰路についたのでありました。

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コメント: 2
  • #1

    佐智子 (土曜日, 15 6月 2013 01:53)

    本日講座に参加させて頂き、ありがとうございました。
    サカイ先生のお話を伺うこと、楽しみにしておりました。
    とても魅力的な方で感動致しました。また色々刺激をうけました。
    米粉は、扱いやすいので小麦粉代りによく使っております。コメティーヤは、ネーミングも良くナイスアイディアですね。
    また乾物のカレーも発想が面白く、裂きイカ!?に感服です。^^

  • #2

    佐智子 (土曜日, 15 6月 2013 02:02)

    失礼致しました。裂きイカは、パスタでした。m--m